7.15静岡新聞に掲載されました
2025.07.15
総合建設業のアースシフト(静岡市)、風力発電保守事業に参入 高所作で培った技術生かし商機拡大狙う
土木建築や公共工事などを取り扱う総合建設業のアースシフト(静岡市葵区)はこのほど、世界的風力発電機メーカーの日本法人「ベスタス・ジャパン」と国内4社目となる認定サービスプロバイダー契約を結んだ。橋梁(きょうりょう)工事など高所作業で培ったロープアクセス技術を生かし、風力発電機の保守業務に参入する。主力のインフラ工事事業に新たな経営の柱を加える戦略で持続的な成長を描く。
採用強化、技術者養成へ
ロープアクセスの国際資格「IRATA(アイラタ)」の最高レベル「3」などを取得したアースシフト社員が、ベスタス社製風力発電機のブレード(羽)部分を中心とした点検や修理の提案を行う。今後は業務拡大に伴い、自社内に同資格取得用のトレーニングセンター建設も予定し、採用活動強化と併せ技術者養成を加速する。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、国は30年までの風力発電導入見込量として陸上で17・9ギガワット、洋上で5・7ギガワットを掲げる。風力発電機は安全性確認と安定稼働を目的に定期点検が義務付けられているため、アースシフトは保守業務拡大を商機と捉え、約6年前から風力事業会社への営業活動を強化するなど準備を進めていた。近藤大智専務は「春から夏の公共事業閑散期は、風力メンテナンスの繁忙期に当たる。当社独自の技術と人的リソースを有効活用し、将来は風力事業単独で年間売り上げ10億円を目指す」と意気込む。
(経済部・薬袋貴信)
静岡新聞7月15日(火)掲載
